なぜ?有原航平、メジャー挑戦でソフトバンク退団も。ポスティング不許可で自由契約か

ソフトバンクホークスのユニフォームでマウンドに立つ有原航平投手。メジャー移籍問題に揺れる中、力投する姿。 スポーツ
メジャー再挑戦の意思を固めた有原航平。今後の動向が注目される。(写真:スポーツ報知)

この記事のポイント

  • 「もう一度、あの舞台へ」――ソフトバンクのエース有原航平が、3年契約満了を機にメジャー再挑戦という衝撃の決意を固めた模様です。
  • しかし、球団には「ポスティングは絶対に認めない」という鉄の掟が存在。海外FA権も持たない彼に残された道は、まさかの「自由契約」という禁断の選択肢かもしれません。
  • もしエースが市場に出れば、争奪戦は必至。特に、先発投手補強に飢える巨人が水面下で獲得に動くとの情報も飛び交っています。
  • 選手の夢か、球団の野望か――。有原航平の決断は、日本球界が抱える根深い問題を映し出す、今オフ最大の事件となるでしょう。

「なぜ今、出ていくんだ…」日本一の歓喜を切り裂いた、エースの“反乱”

5年ぶりの日本一。福岡の街が歓喜に沸く、まさにその時でした。あなたの耳にも、信じがたいニュースが飛び込んできたのではないでしょうか?「ソフトバンク・有原航平、メジャー再挑戦へ」。2年連続最多勝、絶対的エースの“チーム離脱”報道です。

スポーツ報知などが報じたこの一報に、『なぜだ?』『日本一になったばかりじゃないか!』――そんなファンの悲鳴が聞こえてきそうです。しかも、彼の移籍方法は通常の「ポスティング」ではありません。球団の“掟”を破るかもしれない、「自由契約」という異例の手段が囁かれているのです。

メジャーへの消えない情熱と、球団が掲げる「世界一」という巨大な壁。この一件は、選手の夢と球団のプライドが激突する、日本プロ野球が抱える根深い問題を、私たちに突きつけているのです。

日本一では満たされない渇き。なぜ有原は再び“あの舞台”を目指すのか?

「もう一度だけ、あのマウンドに立ちたい」――。日本で完全復活を遂げた有原投手の胸には、今もなお、メジャーへのリベンジの炎が静かに燃え盛っています。その原点は、あの屈辱的な2年間にありました。

屈辱の防御率7.57。彼がメジャーに忘れてきた“大きな宿題”

早稲田大学からドラフト1位で鳴り物入りで日本ハムに入団し、6年で60勝。2019年には最多勝に輝き、誰もが認めるパ・リーグのエースとして、彼は満を持して海を渡りました。

しかし、テキサス・レンジャーズで彼を待っていたのは、あまりにも厳しい現実でした。右肩にメスを入れ、もがき苦しんだ2年間。残ったのは、わずか3勝、防御率7.57という、エースのプライドをズタズタにする数字。まさに「不完全燃焼」のまま、彼は日本に戻ってくることになります。

レンジャーズでの2年間では3勝7敗、防御率7・57だった。右肩の手術もあって自身が納得する投球ができなかった。

ソフトバンク 有原航平がメジャー再挑戦 3年契約を満了

「もう終わった投手」から2年連続最多勝へ。鷹のエースが見せつけた“復活劇”

2023年、千賀滉大と入れ替わるようにソフトバンクのユニフォームに袖を通した有原投手は、まるで別人でした。「もう終わった投手」――そんな声を黙らせるかのように、水を得た魚のように躍動します。加入1年目に10勝を挙げると、そこから2年連続でパ・リーグ最多勝という圧巻のパフォーマンスを披露。

特に、チームのために黙々とイニングを投げ抜く姿は、まさに大黒柱そのもの。2年連続で170イニング以上を投げきり、チームのリーグ連覇と日本一の立役者となりました。この日本での「完全復活」が、彼に失いかけていた自信を植え付け、「やり残した宿題」を片付けるための力を与えたことは、火を見るより明らかでしょう。

絶対王者ソフトバンクの“鉄の掟”。なぜエースは「自由契約」しか道がないのか?

メジャーへの思いを再燃させた有原投手。しかし、その前には、分厚く、そして冷徹な壁が立ちはだかります。ご存知、福岡ソフトバンクホークスが頑なに守り続ける「ポスティングシステムは認めない」という絶対的な球団方針です。

「世界一の邪魔はさせん」――ライバルに主力を渡さない、鷹軍団の“非情なる”哲学

なぜソフトバンクは、これほどまでにポスティング移籍を拒むのでしょうか?その答えは、彼らが掲げる壮大な野望、ただ一つ。「世界一の球団になる」。このスローガンのために、彼らは一切の妥協を許しません。かつて千賀滉大投手(現メッツ)がメジャー挑戦を訴えた時も、球団首脳の答えは揺るぎませんでした。

原則として、我々のスローガンとして『世界一の球団になる』というものがあります。世界一を目指して、もがきながら色々と考えている。ウチの素晴らしい選手たちが、その相手にいってしまっていたら勝負にならない

ホークスはなぜポスティングを認めない? 球団社長が語る方針「我々は世界一を…」

どうでしょう。この言葉に、彼らの哲学が凝縮されていますよね。FAという選手の正当な権利ならまだしも、球団の許可が必要なポスティングを使って、わざわざ「世界一」の座を争うライバルを利するようなことは絶対にしない。これが、ソフトバンクという球団の揺るぎないスタンスなのです。

ポスティングはNG、FA権もまだ…エースを縛る“見えない鎖”

あなたもご存知の通り、メジャー移籍の主なルートは「ポスティング」「FA権」。千賀投手は、この“鉄の掟”に阻まれながらも、海外FA権という自らの権利を行使して夢を掴みました。

しかし、有原投手は事情が違います。スポーツ報知の記事によれば、彼は国内FA権こそ持っていますが、海外FA権はまだ手にしていないのです。

つまり、彼に残された道は、極めて限られています。

  • 奇跡を信じ、球団にポスティング容認を訴える(可能性は限りなくゼロに近い)
  • 夢を一旦封印し、海外FA権を取得するまで日本で投げ続ける
  • あるいは…球団との契約を更新せず、「自由契約」という“劇薬”を選び、すべてのしがらみを断ち切る

33歳という年齢を考えれば、時間は待ってくれません。だからこそ、「自由契約」という選択肢が、にわかに現実味を帯びてくるのです。もちろん球団は全力で引き留めるでしょう。しかし最後は、一人の男の決断にすべてが委ねられます。

もしエースが市場に出たら…?水面下で始まる「有原争奪戦」の全貌

さて、ここからが本題です。もし、本当に有原投手が「自由契約」として市場に現れたら、一体何が起こるのでしょうか?想像してみてください。2年連続最多勝のエースが、FA補償なしで獲得できるんですよ。これはもう、球界を揺るがす“事件”です。

喉から手が出るほど欲しい!争奪戦の“本命”に巨人が躍り出るワケ

もし彼がフリーになれば、国内の複数球団がハイエナのように群がるのは間違いありません。その中でも、最も熱い視線を送っていると噂されているのが、読売ジャイアンツです。

長年、先発投手の駒不足に泣かされてきた阿部監督にとって、これ以上の“特効薬”はありません。ある球団の編成担当者は、舌なめずりするようにこう語ります。

その点、有原は計算が立ちますからね。ソフトバンクは破格の条件を提示して引き留めるでしょうけど、巨人もプライドを懸けて獲得に乗り出すのではないか

ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が …

ソフトバンクでの3年間で築き上げた圧倒的な実績と安定感。資金力にモノを言わせ、巨人が本気を出せば、この争奪戦の主役となることは確実視されています。もちろん、他の球団にとっても黙って見過ごせるはずがありません。

本当に通用するのか?メジャーの“辛口評価”と、鷹軍団に空く「巨大な穴」

もちろん、有原投手本人が最も望むのはメジャーの舞台。しかし、その勝算はどうなのでしょうか。米国のスカウトたちの目は、決して甘くありません。「投高打低の日本で防御率3点台」という冷静なデータ(日刊ゲンダイDIGITALより)や、一度メスを入れた右肩の状態を、彼らはシビアに評価するでしょう。

とはいえ、日本で取り戻した自信と、150キロ超のストレートに多彩な変化球を織り交ぜる投球術は、メジャーでも役割次第で十分に通用するはず。先発ローテーションの谷間やロングリリーフとして、彼に関心を示す球団は必ず現れるはずです。

一方で、もし有原投手がチームを去れば、ソフトバンクにはとてつもなく大きな穴が空きます。リーグ3連覇、日本一連覇という野望は、エースの離脱によって大きく揺らぐかもしれません。彼の決断一つが、チームの未来そのものを左右するのです。

選手の夢か、球団の野望か。あなたの意見は?――ストーブリーグ最大の“劇場”が幕を開ける

ここまで見てきて、あなたはどう感じたでしょうか。有原航平という一人の投手の移籍問題は、もはや彼個人の話ではありません。それは、「もう一度、夢の舞台で輝きたい」と願う選手の純粋な思いと、「世界一になるために、一枚岩で戦う」という巨大球団の野望が、真正面からぶつかり合う、日本プロ野球の構造そのものを問うテーマなのです。

エースは、愛するチームで3連覇の夢を追うのか。それとも、己の夢を貫き、自由という名の荒波に漕ぎ出すのか。彼の決断は、ソフトバンクだけでなく、巨人をはじめとする他球団の勢力図まで、すべてを塗り替える可能性を秘めています。

日本シリーズの熱狂が冷めやらぬ中、プロ野球界は、早くも次なる熱い季節「ストーブリーグ」に突入しました。2年連続最多勝右腕、有原航平。彼の動向こそが、間違いなく今オフ最大の“劇場”となるでしょう。固唾を飲んで、その一挙手一投足を見守りましょう。

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