📋 この記事で取り上げる事実
- 石破茂首相の退陣論が広がる中、7月25日に首相官邸前で続投を求める「#石破辞めるなデモ」が開催され、主催者発表で約1200人が参加しました。
- 参加者は次期首相候補と目される高市早苗氏や参政党への強い懸念を示し、主催者はデモの目的を「ファシズムへの対抗」とし、差別主義者の参加を拒否しました。
「#石破辞めるなデモ」の真相とは?退陣論から参加者の本音まで、5つの疑問に徹底回答

「石破首相、辞めないで!」— 首相官邸前に、異例のコールが響き渡りました。自民党内で「石破おろし」の嵐が吹き荒れる中、首相の続投を求めるデモが行われ、SNSでも大きな話題となっています。
「なぜ退陣間近の首相を『辞めさせない』デモが?」「参加者はどんな人たち?」「本当に石破首相を応援しているの?」そんな疑問が次々と浮かぶのではないでしょうか。
この記事では、あなたが本当に知りたいであろう5つの核心的な疑問に、報道事実を基に、どこよりも分かりやすく具体的にお答えします。政治の「今」を正しく理解し、ご自身の意見を持つための具体的なヒントとして、ぜひ最後までお読みください。
この記事を読めば分かる5つのこと
- そもそも石破首相に退陣論が出ている具体的な理由
- 「#石破辞めるなデモ」の主催者や呼びかけ人の正体
- 参加者が「高市氏や参政党」を特に懸念するワケ
- デモの今後の開催予定と、党内の「石破おろし」の行方
- 政治の動きに対して、私たちが今すぐできること
疑問1:そもそも石破首相に「退陣論」が出ている具体的な理由は何ですか?
石破首相への退陣要求は、単に「人気がないから」といった漠然としたものではありません。主に3つの具体的な理由が複雑に絡み合っています。こうした退陣論の前提として、石破内閣が支持率20%台に低迷している現状については、こちらの記事で詳しく分析しています。
理由1:決定打となった「参院選の大敗」
最大の直接的な原因は、先の参議院議員選挙での歴史的な敗北です。自民・公明の連立与党は、参議院で過半数を維持するために必要な議席を確保できず、「過半数割れ」という厳しい結果に終わりました。国会が「ねじれ国会」の状態になると、政府・与党が提出した法案が参議院で否決される可能性が高まり、政権運営は極めて困難になります。この選挙結果は、国民が石破政権に「ノー」を突きつけたと解釈され、党のトップである首相が責任を取るべきだという声が噴出する直接の引き金となったのです。
理由2:過去の発言がブーメランに?「私なら即座に辞める」
現在の状況をさらに厳しくしているのが、石破首相自身の過去の発言です。2007年、安倍晋三氏が首相だった時にも自民党は参院選で大敗しました。その際、石破氏は安倍首相の責任を厳しく追及する急先鋒でした。
18年前の石破氏の発言(2007年)
- 「私だったら即座に辞めて、落ちた人のところに謝って回る」
- 「(安倍首相は)『私の使命』って言うが、王様じゃないんだから。使命は国民が与えるもの」
- 「責任を取るべき人が取らないのは組織ではない。その責任を追及する声が上がらない組織は病んでいる」
これらの「正論」は、18年の時を経て、そっくりそのまま自分自身に跳ね返ってきている形です。党内からは「あの時あれだけ言っていたのだから、自分が同じ状況になったらどうするのか」という厳しい目が向けられ、退陣論に拍車をかけています。過去の発言だけでなく、近年のインタビューで見せた感情的な対応も、彼のリーダーシップを疑問視する声につながっています。
理由3:党内からの突き上げと「石破おろし」の本格化
選挙の敗北と過去の発言を背景に、党内では公然と「石破おろし」が始まっています。麻生太郎氏、菅義偉氏といった首相経験者が退陣を迫ったと見られるほか、若手議員からも執行部一新を求める声が上がっています。さらに、次期総裁選を見据え、高市早苗氏が早々に出馬を表明するなど、「ポスト石破」を巡る権力闘争が激化しています。これらはもはや単なる「退陣論」ではなく、首相を引きずりおろすための具体的な「党内力学」が働いていることを示しています。こうした動きの裏側にある、石破首相をスケープゴートにしようとする自民党内の冷徹な計算については、こちらの記事でさらに深く掘り下げています。
疑問2:デモの主催者や呼びかけ人は、具体的にどのような団体・人物ですか?
このデモの最も興味深い点の一つは、特定の政治団体や労働組合が主導しているわけではないことです。
SNSで自然発生した「個人の集まり」
報道によると、デモはX(旧Twitter)などのSNS上で、ハッシュタグ「#石破辞めるな」と共に、個人が呼びかけたことから始まりました。呼びかけ人は産経新聞の取材に対し、デモの目的を「ファシズムに対抗したいという思いで、集まっている」と語っています。また、デモの参加条件として「思想信条は問わない。お互いリスペクトを。ただし差別主義者の参加は固くお断り」とアナウンスしており、特定のイデオロギーに凝り固まった集団ではないことを強調しています(出典: 産経新聞)。
参加者の多くは「消極的」支持者
参加者の声を取材した報道を見ると、手放しで石破首相を絶賛する人はむしろ少数派のようです。「石破総理を支持しているわけではないが、ほかの自民党候補よりは総理にふさわしい」「辞めるなと言っている人がどんな理由で言ってるのか気になった」といった声が聞かれました。産経新聞は、参加者の多くが普段は野党を支持しており、「他の候補よりマシ」といった消極的な支持者が少なくないと報じています。つまりこのデモは、「石破首相が好きだから」というよりは、「次に首相になるかもしれない人が嫌だから」という動機が色濃い、極めて特殊な政治活動と言えるでしょう。
疑問3:なぜ参加者は「高市氏や参政党」を特に懸念しているのですか?
デモ参加者の最大の懸念は、石破首相が退陣した場合の「次の選択肢」にあります。特に名前が挙がっているのが、高市早苗氏と参政党です。
高市早苗氏への警戒感:「右傾化」への懸念
高市早苗氏は、自民党内で保守派の代表格とされ、故・安倍晋三元首相の政治路線を継承する人物と見なされています。デモ参加者は、彼女が首相になることで、日本の政治がより右傾化することを懸念していると考えられます。具体的には、憲法改正や防衛政策の強硬路線へのシフトです。実際に高市氏は自身の公式サイトで、「能動的サイバー防御」の法整備や、防衛力の抜本的強化を含む「危機管理投資」を政策の柱に掲げています(出典: 高市早苗公式サイト)。デモ参加者はこうした政策を「極右的」「ファシズム的」と捉え、「高市首相」の誕生を阻止するために、現職の石破首相の続投を求めているという構図です。
参政党の躍進への不安
もう一つの懸念対象が、先の参院選で議席を大きく伸ばした参政党です。参政党は、食の安全や反グローバリズムといった独自の主張を展開し、SNSを中心に支持を広げました。デモ参加者の中には、この参政党の躍進自体を日本の政治が危険な方向に向かっている兆候と捉え、危機感を募らせている人々がいます。彼らにとって、リベラルな側面も持つとされる石破首相は、「高市氏や参政党よりはマシ」な選択肢、いわば「防波堤」として機能していると認識されているのです。
疑問4:このデモや「石破おろし」の動き、今後はどうなりますか?
今後の政治情勢は非常に流動的ですが、いくつかの重要なポイントがあります。
「#石破辞めるなデモ」は今後も開催される?
現時点で、次回のデモ開催に関する公式なアナウンスはありません。しかし、このデモはSNSでの呼びかけによって自然発生的に集まったものです。そのため、今後の政治状況、例えば「石破首相の退陣が確実になった」「高市氏の首相就任が有力になった」といった局面になれば、再びSNS上で呼びかけが行われ、デモが開催される可能性は十分に考えられます。
「石破おろし」の今後のシナリオ
党内の「石破おろし」は、今後さらに加速すると見られています。焦点となるのは、自民党が8月中にまとめる予定の「参院選の総括」です。この総括で首相の責任が明確にされれば、それが退陣の引き金となる可能性があります。一部報道では、石破首相が8月末までに退陣を表明する意向だとも伝えられています。一方で、首相側は重要政策を理由に続投を図る構えも見せており、党内でのせめぎ合いは最終局面を迎えています。なお、現時点では一般市民による大規模な「首相退陣要求デモ」の動きは報じられておらず、退陣を求める声は主に自民党内から上がっているのが現状です。
疑問5:私たちに何ができる?冷静に情報を読み解き、行動するための3ステップ
「政治のことは難しくてよく分からない」「自分一人が何かしても変わらない」と感じるかもしれません。しかし、この複雑な状況だからこそ、私たち一人ひとりが冷静に情報を得て、考え、行動することが重要になります。ここでは、今すぐできる具体的な3つのステップをご紹介します。
ステップ1:一次情報にあたる習慣をつける
SNSやニュースの解説記事だけでなく、情報源そのものである「一次情報」に触れてみましょう。「〜らしい」という伝聞情報に流されず、自分の目で確かめることが、冷静な判断の第一歩です。
- 政治家の公式サイトやSNSを確認する: 政策や考え方が直接述べられています。
→ 首相官邸公式サイト
→ 高市早苗氏の政策 - 国会中継を見る: 実際の質疑応答を見ると、政治家の個性や議論の深さが分かります。
→ 参議院インターネット審議中継
ステップ2:多様な視点のニュースに触れる
一つのメディアの情報だけを鵜呑みにせず、複数のメディアを読み比べることが大切です。この記事でも、産経、毎日、日テレなど、様々な立場の報道を参考にしました。それぞれの報じ方の違い(どの事実を強調し、何を省略しているか)に注目することで、物事を多角的に捉える力が養われます。
ステップ3:自分の意見を「表明」する
情報を得て考えがまとまったら、何らかの形で表明してみましょう。その一つ一つの声が、世論を形作っていきます。
- 選挙で投票する: 最も直接的でパワフルな意思表示です。
- 地元の議員に意見を伝える: 国会議員や地方議員の事務所にメールや手紙を送るのも有効な手段です。「(地元の選挙区) 衆議院議員」などで検索すれば、公式サイトや連絡先が見つかります。
- パブリックコメントに参加する: 政府が新しい政策や法律を作るとき、国民から意見を募集することがあります。「e-Govパブリック・コメント」のサイトで案件を探せます。
重要なのは、感情的にならず、根拠に基づき、他者を尊重しながら自分の考えを表明することです。
「#石破辞めるなデモ」は、単純な首相支持運動ではなく、日本の政治がこれからどこへ向かうのかという、国民の複雑な不安や危機感が表出した現象です。この記事が、めまぐるしく動く政治の今を理解し、あなた自身の行動につなげる一助となれば幸いです。
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もし自分が強く支持する政治家がピンチの時、あなたならどんな行動で応援しますか?デモやSNSでの発信もありだと思いますか?