あなたの「いいね」が彼らの収入源。万博を荒らす“迷惑系”を支える、歪んだSNS経済圏の闇

1万博「大屋根リング」でミニスカ女性が"下着露出"投稿拡散、子連れ客の前で堂々と… 協会「禁止行為だ」弁護士ドットコムニュース7/10(木) 12:03 SNS

はじめに:それは「表現の自由」か、それとも「魂の破壊」か?

先日、未来への希望を乗せて建設が進む「大阪・関西万博」の会場周辺で撮影された、ある一枚の写真が私のタイムラインに流れてきました。それは、女性のミニスカートをめくりあげ、下着を露出させるという、悪質ないたずらとしか言いようのない画像でした。そして、その画像は「過激なコンテンツで注目を集め、有料サイトに誘導する」という、典型的な迷惑系インフルエンサーの手口だったのです。

この光景を見て、私は単なる不快感を通り越して、冷たい怒りのようなものを感じました。なぜなら、これは単なる「おふざけ」や「悪ふざけ」ではないからです。これは、世界中の子どもたちが見つめる夢の舞台を、自らの承認欲求と小銭稼ぎのために汚す、魂の破壊行為に他なりません。

「表現の自由だ」「嫌なら見るな」——そんな声が聞こえてきそうです。しかし、私は断言します。公共の場、それも国際的なイベントの品位を著しく傷つけ、他者を搾取する行為は、断じて許されるべきではありません。この記事では、なぜこのような行為がなくならないのか、その背景にある歪んだSNS経済圏の構造を解き明かし、この負の連鎖を断ち切るために私たちに何ができるのかを、徹底的に論じます。これは、彼らを非難して終わりにするための記事ではありません。この問題の「共犯者」に、知らず知らずのうちになっていないか。私たち自身の見識を問うための記事です。

なぜ彼らは万博を「荒らす」のか?迷惑系インフルエンサーの脳内を徹底解剖

彼らは、なぜわざわざ万博のような「聖域」とも言える場所を選んで、破壊的な行為に及ぶのでしょうか。その行動原理は、3つのキーワードで分析できると私は考えています。

1. 「権威」への反逆という名の快感

万博、オリンピック、あるいは歴史的建造物。これらは社会的な「権威」や「常識」の象徴です。彼らにとって、この「権威」を汚し、嘲笑することは、手っ取り早く注目を集め、万能感に浸るための麻薬のようなものです。「誰もやらないことを、俺はやる」という歪んだヒーロー願望が、彼らを過激な行動へと駆り立てるのです。

2. 「コスパ最強」の炎上マーケティング

真面目にコツコツとコンテンツを作っても、バズるのは一握り。しかし、「炎上」は違います。社会のルールやモラルを破れば破るほど、批判や非難という形であっても、爆発的な注目(トラフィック)を確実に集めることができます。彼らにとって、万博会場は、最小限の労力で最大限の注目を得られる、**費用対効果(コスパ)最強の「炎上スポット」**にしか見えていないのです。

3. 罪悪感の欠如と「ゲーム感覚」

最も根深い問題は、彼らが自身の行為を「悪いこと」だと本気で思っていない可能性です。SNSというフィルターを通して世界を見ている彼らにとって、現実の人間関係や社会のルールは、まるでテレビゲームの背景のように希薄です。人を傷つけることも、公共の場を汚すことも、すべては「バズるかどうか」というゲームのスコアでしかありません。その先にある、誰かの涙や社会の損失に対する想像力は、完全に欠如しているのです。

原因分析:不適切行為の背後にある社会的・心理的要因

【問題の本質】あなたの「いいね」が彼らの収入源。炎上を養分にする、歪んだSNS経済圏の闇

「あんな奴らは無視すればいい」——そう思うかもしれません。しかし、問題はそれほど単純ではありません。なぜなら、そこには**私たちが無意識のうちに加担してしまっている、巨大な「炎上経済圏」**が存在するからです。

彼らのビジネスモデルは極めてシンプルです。

  1. X(旧Twitter)やTikTokで、過激で目を引くコンテンツを投稿し、**炎上させることで爆発的なアクセスを集める。**
  2. プロフィール欄に、OnlyFansやPatreonといった**有料会員制サイトへのリンクを貼り、興味を持ったユーザーを誘導する。**
  3. 有料サイトで、さらに過激なコンテンツをサブスクリプション(月額課金)で販売し、収益を上げる。

この構造で最も恐ろしいのは、**批判や非難の声すらも、彼らにとってはアクセス数を増やすための「燃料」になってしまう**ことです。私たちが「けしからん!」と引用リツイートすること、ニュースサイトが「また迷惑行為」と記事にすること。そのすべてが、彼らの投稿の表示回数を増やし、結果として有料サイトへの誘導を手助けしてしまっている。つまり、**正義感からの批判が、皮肉にも彼らの懐を潤す「共犯行為」になってしまっている**のです。

この歪んだエコシステムが存在する限り、第二、第三の迷惑インフルエンサーは、必ず現れます。問題の根を断つためには、この金の流れを断ち切る必要があるのです。

「見るだけ」の共犯者にならないために。明日からできる、私たちのアクションプラン

では、この負の連鎖を断ち切るために、私たちに何ができるのか。無力感に苛まれる必要はありません。具体的で、誰にでもできるアクションがあります。

アクション1:反応しない。議論しない。ただ「報告」する

彼らの投稿を見かけても、絶対に「いいね」や「コメント」「リツイート」をしてはいけません。それは彼らにエサを与える行為です。代わりに、各SNSプラットフォームの**「報告」機能**を使いましょう。「不適切なコンテンツ」「嫌がらせ」などの項目で、冷静に、機械的に通報する。この地道な行動が、AIによるアカウント凍結の判断を促し、彼らの活動拠点を奪います。

アクション2:「アルゴリズム」を教育する

不快な投稿を見たら、すぐに「この投稿に興味がない」あるいは「このアカウントをおすすめに表示しない」といった意思表示をしましょう。あなたのそのクリック一つ一つが、プラットフォームのAIに「この種のコンテンツは需要がない」と学習させます。結果として、あなたのタイムラインが健全になるだけでなく、社会全体のトレンドから有害なコンテンツを排除する力になります。

アクション3:ポジティブなコンテンツを応援する

最もパワフルなアクションは、ネガティブなものを叩くことではなく、**ポジティブなものを応援すること**です。万博の素晴らしい建築や、そこで働く人々の情熱、未来を感じさせるテクノロジーなど、あなたが「良い」と感じた情報を、自分の言葉で積極的に発信する。SNSのタイムラインを、批判ではなく、創造と希望で満たす。それこそが、迷惑行為が生まれる土壌をなくしていく、最も確実な方法だと私は信じています。

多角的視点:SNSの影響力と責任について

結論:問われているのは、彼らのモラルではなく、私たちの見識だ

万博での不適切行為は、単なる一部の非常識な人間の問題ではありません。それは、**私たちの社会が、そしてSNSという巨大なシステムが、何を許容し、何に価値を置くのか**という、本質的な問いを突きつけています。

彼らの行動を「くだらない」と切り捨てるのは簡単です。しかし、その「くだらない」行為がビジネスとして成立し、彼らに富と名声(たとえ悪名だとしても)をもたらしている現実から、私たちは目を背けてはなりません。

最終的に問われているのは、迷惑インフルエンサーたちのモラルの低さではありません。その歪んだ経済圏を、知ってか知らずか支えてしまっている、私たち一人ひとりの情報リテラシーであり、見識です。批判の指先を彼らに向ける前に、一度、自分のスマートフォンの持ち方と、その指先の動きを見つめ直す必要がある。私は、強くそう考えます。

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この「炎上経済圏」について、あなたはどう思いますか? 私たちがこの負の連鎖を断ち切るために、他にどんなことができるでしょうか。ぜひコメント欄で、あなたの考えをお聞かせください。

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