静かな離島に忍び寄る中国の影。住民7人、自衛隊基地そばで進む“謎の造成”。

社会

📋 この記事で取り上げる事実

  • 山口県の離島・笠佐島(住民票登録7人)で、中国資本による土地取得が確認された。
  • 取得された土地では木々が伐採・造成され、重機も確認されている。
  • 登記簿によると、2区画を中国・上海に住所を持つ人物が所有している。
  • 土地の周辺には海上自衛隊や米軍の重要基地が存在する。
  • 土地を売却した業者は、誹謗中傷などを理由に取材に応じていない。

出典: Yahoo!ニュース

あなたの隣の土地も危ない?自衛隊基地そばの離島が中国資本に。日本の安全保障に潜むリアルな脅威と今すぐできる対策

人口わずか7人。瀬戸内海に浮かぶ山口県の離島「笠佐島」が、今、日本の安全保障を揺るがす問題の象徴として注目されています。コロナ禍以降、この静かな島で外国人の姿が目撃され始め、島の土地の一部が中国・上海に住む人物の手に渡っていたことが発覚したのです。これは単なるリゾート開発の話ではありません。この島の目と鼻の先には、日本の防衛の要である海上自衛隊や米軍の重要拠点が点在しています。気づかぬうちに、私たちの国の守りに静かに、しかし確実に“穴”が空けられているとしたら…?この記事では、離島で起きている不気味な現実から、日本の法律の落とし穴、そして私たち自身が取れる具体的な行動まで、徹底的に掘り下げて解説します。

人口7人の島で何が?中国資本による土地買収の現場

笠佐島は、山口県周防大島から西へ約2km、1日3往復の連絡船が唯一の交通手段という典型的な過疎の離島です。住民票を置くのはわずか5世帯7人。聞こえるのは鳥のさえずりと波の音だけ、そんな長閑な島でした。しかし、その静寂は突如として破られます。

島の船着き場から林道を歩くこと45分。突如として、異様な光景が現れます。うっそうとした森林が広範囲にわたって切り拓かれ、ぽっかりと空いた空間。そこには工事用の重機が放置され、真新しい電柱が2本、不自然に天へ向かって伸びているのです。誰が、一体何のために?島民の不安が募る中、登記簿が衝撃の事実を明らかにしました。

この造成地を含む計3,651平方メートル(約1,100坪)の土地は、2017年から2018年にかけて、中国・上海市に住所を持つ男性とその関係者の手に渡っていました。仲介した地元の不動産業者は、「上海で日本企業に勤めた経験のある親日家で、『別荘を建てたい』と話していた」と説明します。しかし、購入者はそれだけではなく、「クルーザーなどを係留するため、桟橋を建設したい」という具体的な意向も示していたことが分かっています。

なぜこの島が?地図が示す本当の「戦略的価値」

なぜ、交通の便も悪いこの小さな離島が選ばれたのでしょうか。その答えは、地図を広げると一目瞭然です。一見、ただの風光明媚な島ですが、軍事・安全保障の観点から見ると、笠佐島は極めて「戦略的」な場所に位置しているのです。

目と鼻の先にある日米の防衛拠点

笠佐島の上空は、在日米軍岩国基地の航空機の飛行ルートにあたり、取材中も戦闘機の爆音が響き渡っていたと報じられています。そして、船を使えば瀬戸内海を自由に移動できます。島民によれば、ここからなら海上自衛隊の潜水艦や護衛艦が出入りする「呉基地」や、旧海軍兵学校で知られる江田島まで、わずか1時間から1時間半で到達可能です。

もし、この「別荘地」に高性能なレーダーや通信傍受施設が設置されたらどうなるでしょうか。日米の艦船や航空機の動向が筒抜けになる恐れがあります。「桟橋」が建設されれば、小型船舶を使って誰にも気づかれずに物資や人員を運び込み、瀬戸内海を自由に移動できる「秘密の拠点」として機能する可能性も否定できません。

無視できない中国「国防動員法」のリスク

ここで見過ごせないのが、中国の法律の存在です。

  • 国防動員法: 有事の際、中国政府は国内外を問わず、中国の個人や企業が持つ資産を徴用できると定めています。
  • 国家情報法: すべての国民と組織に、国の情報活動への協力を義務付けています。

これは、たとえ「親日家の個人」が「別荘」として純粋な目的で購入した土地であっても、ひとたび中国政府の命令があれば、その所有者の意思に関わらず、軍事目的の拠点や情報収集施設に変わりうることを意味します。これは憶測ではなく、日本の安全保障を考える上で絶対に無視できない法的なリスクなのです。近年では、土地買収だけでなく、外国のプロパガンダ機関が日本の政党に接近するような、より複雑な影響力行使も問題視されています(関連:「なぜ参政党は、ロシアの“プロパガンダ機関”に接近したのか?神谷代表の謝罪では済まない、党が抱える“致命的な病”」)。

氷山の一角か? 全国に広がる外国資本による土地買収の実態

笠佐島の問題は、決して特殊なケースではありません。産経新聞の調査によれば、自衛隊や米軍基地など安全保障上重要な施設の周辺で、外国資本の関与が疑われる土地買収が、全国で少なくとも700件確認されています。北海道の陸上自衛隊レーダー施設に隣接する土地、沖縄の米軍基地を一望できるリゾートホテル、神奈川の米軍基地近くに建設されたマンションなど、日本の防衛網のすぐ側で、同様の事態が静かに進行しているのです。(出典: 産経新聞

政府が2023年から2024年1月までに指定した「重要土地」の取引状況を見ても、この傾向は明らかです。外国人・外国法人が購入した371件のうち、中国が203件と、実に54.7%を占めています。2位の韓国(13.2%)を大きく引き離しており、その突出ぶりが際立ちます。これは個別の事案ではなく、国家的な規模で考えるべき喫緊の課題と言えるでしょう。

なぜ防げない?「ザル法」と揶揄される法律の3つの限界

「こんな危険な土地買収を、なぜ法律で規制できないのか?」と誰もが思うはずです。日本にも対策と呼べる法律はあります。2022年9月に全面施行された「重要土地等調査法」です。この法律は、自衛隊基地や原発などの重要施設の周囲約1kmや国境離島を「注視区域」「特別注視区域」に指定し、土地の利用状況を調査したり、売買の際に届け出を義務付けたりするものです。

しかし、この法律には巨大な“穴”があり、「ザル法」と揶揄されています。具体的には、以下の3つの限界が指摘されています。

  1. 1. 指定区域が限定的すぎる
    最も大きな問題は、今回問題となった笠佐島が、法律の対象となる「注視区域」に指定されていなかった点です。法律はあっても、肝心な場所が網から漏れていては意味がありません。政府による区域指定のペースが遅く、現状に追いついていないのです。
  2. 2. 規制や罰則が弱い
    仮に区域指定されていても、この法律は土地の「売買そのもの」を禁止するものではありません。あくまで利用状況の調査や、妨害行為に対する中止勧告・命令が中心です。命令に違反した場合の罰則も「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」など、国家安全保障に関わるリスクに対して軽すぎるとの批判があります。
  3. 3. 「購入後」の対応が中心
    法律は基本的に土地が購入された後の利用実態を調査するものであり、購入前の審査は行われません。問題のある利用が発覚してからでは手遅れになる可能性があります。ちなみに、オーストラリアやニュージーランド、スイスなど多くの国では、外国人が不動産を取得する際に政府の事前審査や許可を必要としており、日本の「誰でも、どこでも、自由に土地が買える」という状況は国際的に見て極めて無防備なのです。

結局のところ、こうした法的な不備が放置される背景には、政治、特に与党の機能不全という根深い問題が存在します。安全保障という国家の根幹に関わる政策決定がなぜ進まないのか、その構造的な原因を理解するためには、「【派閥解消の悲劇】政策消滅。3人の実力者が牛耳る自民党の闇深き権力闘争」で解説されているような、政策論争なき権力ゲームの実態を知ることも重要です。

【明日からできる】日本の国土と未来を守るための具体的な4つのアクション

この問題は、遠い離島の話ではありません。私たちの国の主権と安全、そして未来そのものに関わる問題です。不安を煽るだけでなく、私たち一人ひとりができる具体的な行動を起こすことが重要です。

アクション1:自分の地域のリスクを「知る」

まずは、この問題を「自分ごと」として捉えることから始めましょう。あなたの住む地域や実家の近くに、自衛隊基地や米軍施設、原子力発電所などの重要施設はありませんか?内閣府のウェブサイトでは、「重要土地等調査法」に基づいて指定された「注視区域」「特別注視区域」の一覧と地図が公開されています。一度、自分の関係する地域がどうなっているか確認してみてください。

内閣府:重要土地等調査法に基づく区域指定状況

アクション2:地元の政治家に「声を届ける」

法律や制度を変えるには、世論の高まりが不可欠です。地元の市町村議会議員や国会議員の事務所に、この問題に対する見解を問い合わせてみましょう。メールや手紙で「笠佐島の件について、安全保障上の懸念を感じています。〇〇市(町)として、または国としてどのような対策を考えていますか?」と問いかけるだけでも、政治家は「有権者がこの問題に関心を持っている」と認識します。

アクション3:土地所有者として「意識を変える」

もしあなたが過疎地や離島に土地を所有しているなら、売却は慎重に検討すべきです。単に「高く買ってくれるから」という理由で安易に売却することが、意図せず国益を損なう結果に繋がる可能性があります。買主がどのような目的で土地を求めているのか、信頼できる不動産業者を通じて確認するなど、所有者としての責任を意識することが求められます。

アクション4:この問題を「共有し、議論する」

この記事を家族や友人と共有し、話題にしてみてください。外国資本による土地取得をどこまで許容するのか。安全保障と経済活動の自由のバランスをどう取るべきか。これは、排外主義的な議論ではなく、日本の未来を考える上で、国民全体で冷静に、しかし真剣に議論すべきテーマです。静かな離島で始まった異変は、日本が抱える構造的な脆弱性を白日の下に晒しました。見て見ぬふりをせず、私たち一人ひとりが考え、行動することが、この国の未来を守る第一歩となるのです。

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日本の安全保障に関わる土地が外国資本に…。このニュース、皆さんは率直にどう感じましたか?ご意見を聞かせてください。

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